INTRODUCTION
イントロダクション

本作は、全世界にファンを持つ『ウォレスとグルミット』『ひつじのショーン』などで知られ、これまでに4度のアカデミー賞®受賞歴を持つニック・パーク監督×アードマン・アニメーションズ(以下アードマン)で制作された新作ストップモーション・アニメーション。

このチームが今回新しく生み出したキャラクターは、なんと“原始人(アーリーマン)”。人間が槍で狩りをし、マンモスが生息する先史時代を舞台に、奪われた故郷を取り戻すために立ち上がる勇敢な少年ダグとその仲間たちの大冒険を描く。強敵に立ち向かうためにダグたちが選んだ手段はサッカー!槍をボールに持ち替えて、未知の競技に果敢に挑戦する彼らの姿はとてもユーモラスで個性的。群衆に埋め尽くされ、大歓声に沸くスタジアムで、グラディエーターのごとく繰り広げられるサッカー試合の様子は、まるで実写のような臨場感をもたらしてくれる。

原始人×サッカーという組み合わせは思いがけない面白さを生み出し、私たちは愉快なキャラクターたちと一緒に全く新しい世界を旅することになるだろう。

アードマンならではのクレイ人形の温かい質感と繊細で緻密なアニメーションはそのままに、英国仕込みのブラックユーモアでほどよいスパイスを効かせた興奮と感動の89分間。 着想から8年という歳月をかけて誕生した愛すべき原始人のニューヒーローは、『ウォレスとグルミット』、『ひつじのショーン』シリーズに続き、私たちの心にいつまでも残り続けることだろう。 ニック・パーク×アードマン史上最高の傑作にして、最高にエキサイティングな大冒険が、いよいよ日本へ上陸する。

STORY
ストーリー

むかしむかし、太古のむかし。まだマンモスがいた頃のお話。 原始部族の少年ダグ(声:エディ・レッドメイン)は、ボブナー長老(声:ティモシー・スポール)が率いるユーモラスな仲間たちとブタの相棒ホグノブ(声:ニック・パーク)と共に小さな谷間で平和に暮らしていた。

しかしある日、ブロンズ・エイジ・シティの暴君ヌース卿(声:トム・ヒドルストン)が、谷で採れる青銅を奪うため軍隊を引き連れて侵攻してきた。故郷を追われた部族のメンバーは、殺伐とした土地バッドランドへ避難することに。そんな混乱の中で、偶然軍隊に捕えられたダグは、どさくさに紛れてブロンズ・エイジ・シティへ行き着いてしまう。その場所は、森に囲まれたダグの生まれ故郷とは異なり、すべてが初めて見るものばかりの文明が発展した異世界だった。

そうこうしているうちに、突然街中が賑やかになり、群衆の波が押し寄せてきた。ダグはその波に流され熱狂的な人々で埋め尽くされた巨大なスタジアムにたどり着く。そこでは、サッカーと呼ばれるスポーツの試合が行われていた。 ブロンズ・エイジ・シティで、サッカーが崇拝されていることを知ったダグは、地元で最も強いチーム「レアル・ブロンジオ」との試合に挑戦し、彼らに勝利することで故郷を取り戻そうと考える。

バッドランドに戻ったダグは、サッカーでヌース卿に対抗すべく、さっそく部族のメンバーとチームを結成する。しかし皆にとってサッカーは未知のスポーツ。チームワークはもちろん、ルールさえまったくわからない。こんな状態では、強豪チームに勝つことができないと思ったダグは、ブロンズ・エイジ・シティで出会ったサッカーの天才少女グーナ(声:メイジー・ウィリアムズ)の協力を得て特訓に励むことに。

果たしてダグたちは「レアル・ブロンジオ」に勝利し、愛すべき故郷(ホーム)を取り戻すことができるのか・・・?!

WHAT'S AARDMAN
アードマンって?

アードマン・アニメーションズってなあに?
英国にあるアニメーション制作スタジオ。通称〝アードマン″。
日本では特にストップモーション・アニメーションの『ウォレスとグルミット』『ひつじのショーン』シリーズの制作で知られている。今までに、世界最高峰の映画の祭典であるアカデミー賞®で、短編長編合わせて計11回ノミネートされており、その中で4回もの受賞回数を誇る。まさに〝キング・オブ・クレイアニメーション″と呼ぶにふさわしい世界トップレベルのアニメーション・スタジオである。

CHARACTER
キャラクター

★ダグ★
明るく陽気で勇敢な少年。熱意と信念を持っており、いつか大きなことを成し遂げたいという野心も抱いている。愛する故郷を奪った強敵にサッカーで対抗するため、みんなをまとめ上げるリーダー力も発揮。ブタのホグノブはいつも一緒にいる最高の相棒。
声:エディ・レッドメイン
1982年1月6日イギリス・ロンドン生まれ。
2002年、舞台『十二夜』で初舞台を踏む。10年、ブロードウェイ・ミュージカル『Red』に出演し、トニー賞を獲得。12年、映画『レ・ミゼラブル』でマリウス役に起用され、注目を浴びる。14年、映画『彼女と博士のセオリー』では、スティーヴン・ホーキング博士を好演し、第87回アカデミー賞®で主演男優賞を受賞するなど、数々の賞を受賞している実力派俳優。 2015年には『リリ―のすべて』で主人公のデンマーク人画家アイナー・ヴェイナーを演じ、アカデミー賞Ⓡ、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合(SAG)賞、英アカデミー(BAFTA)賞にノミネートされた。同年、SF『ジュピター』にも出演。また2016年には『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に主演。続編『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は2018年公開。
★ホグノブ★
いつもダグのそばにいる献身的なブタの相棒。コミュニケーション能力が高く、感情を表現することができる。話はできないが、目は口ほどにものを言う。
★ボブナー長老★
ダグの部族の長老。部族の皆の父親のような存在。災害などの危険なことから皆を守ることが使命。ユーモラスで優しい心の持ち主だが少し心配性。ダグがサッカーチームを作ることに対してはじめは反対していた。
声:ティモシー・スポール 
1957年2月27日イギリス・ロンドン生まれ。
王立演劇学校で演技を学んだ後、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに在籍し、数々の舞台に立つ。 マイク・リー監督の『秘密と嘘』(96)に出演し、高い評価を得たことで国際的に知られるようになった。 2001年頃からハリウッドに進出しはじめ、キャメロン・クロウ監督の『バニラ・スカイ』(01)、 ブラッド・シルバーリング監督の『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(04)、 『ハリー・ポッター』全シリーズなど多くの大作に出演し、名助演俳優の地位を確固たるものにした。 日本においては、渡辺謙や真田広之などと共演した大ヒット作『ラスト・サムライ』(03)で知名度が上がり、ティム・バートン監督×ジョニー・デップ作品『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(07)、 『アリス・イン・ワンダーランド』(10)に参加し、その独特の個性を存分に発揮。映画界になくてはならない存在感を示している。大英帝国勲章のオフィサー(OBE)を受勲した英国で最高に愛される、最も才能豊かな個性派俳優の一人である。近年では『否定と肯定』(16)でホロコースト否定論を主張する歴史家デイヴィッド・アーヴィングを演じている。
★アスボー★
そわそわいつも落ちつかないが、やたらエネルギッシュ。
★バリー★
石にMr.ロックと名付け、親友だと思って話しかけている。
★トレボー★
体が大きく穏やか。強そうに見えるが実は小心者。
★マグマ★
豪快で勝気。トレボーの母親。
★グラバップ★
いつも空腹。誰かの手足に食いつくこともある。
★イーマック★
温かく優しいがとても風変り。彼のことは誰も理解できない。
★ソンゴ★
強くて静か。唸り声しか出さない。
★グラヴェル★
今の生活スタイルに不満があり、被害妄想が強い。
★ヌース卿★
ブロンズ・エイジ・シティの暴君。お金が大好き。マンモスを乗り回して未開の森へ侵入し、ダグたちが住む谷間で採れる青銅を奪うため、部族のみんなを故郷から追い出してしまう。サッカーをこよなく愛している。
声:トム・ヒドルストン
1981年2月9日イギリス・ロンドン生まれ。
名門パブリックスクールであるイートン校を卒業後、ケンブリッジ大学のペンブルック・カレッジで学ぶ。同校を優等(ダブル・ファースト)の成績で卒業。その後2005年に王立演劇学校を卒業した。在学中からいくつかのTVシリーズに出演し、『Unrelated』(06)でスクリーンデビューを飾る。2011年、スティーヴン・スピルバーグ監督作『戦火の馬』で心優しいイギリス軍大尉を、ウディ・アレン監督作『ミッドナイト・イン・パリ』で作家のF・スコット・フィッツジェラルドを演じる。そして同年、マーベル・コミック原作の『マイティ・ソー』でソーの弟、ロキを演じ一躍世界の注目を集める。以降もロキとして『アベンジャーズ』(12)、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(13)に出演、人気を不動のものにする。その他、『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)、『アイ・ソー・ザ・ライト』(15)、『ハイ・ライズ』(15)、『クリムゾン・ピーク』(15)、『キングコング:髑髏島の巨神』(17)がある。最新作は、再び悪役ロキを演じたマーベルの大ヒットシリーズ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。
★グーナ★
ブロンズ・エイジ・シティに住む少女。サッカー選手として素晴らしい能力をもっていて、スタジアムの試合に出ることが夢だが、ブロンズ・エイジ・シティでは女性がサッカーをやることは禁じられている。自分の夢をかなえるため街を飛び出し、ダグやその仲間たちにサッカーを教える。
声:メイジー・ウィリアムズ
1997年4月15日イギリス・ブリストル生まれ。
HBO放送のドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ(11~)で演じるアリア・スターク役でよく知られている。このシリーズは現在8シーズン目を撮影中である。この役で、ポータル・アワードの、2012年のTV部門最優秀助演女優賞と最優秀ヤングアクター賞を受賞し、この賞を受賞した最年少俳優となった。また2013年には、同賞のラジオ1ティーン賞の最優秀英国人俳優賞を受賞した。2014年、“明日の国際的英国人映画スター”の一人に選ばれ、「エンターテイメント・ウィークリー」誌の最優秀助演女優賞も受賞した。 2015年初め、『THE FALLING』(14/未)で演じたキャロル・モーレイの演技で、ベルリン映画祭のヨーロピアン・シューティング・スター賞を獲得した。また同役で、2016年のロンドン映画批評家協会賞最優秀若手俳優賞とイブニング・スタンダード賞のライジング・スター賞も受賞している。さらに、十代の娘ケイシーを演じたチャンネル4のTV映画「CYBERBULLY」(15)は高く評価され、英アカデミー(BAFTA)賞の最優秀シングルドラマ賞にノミネートされた。近作は、Netflix初の英国オリジナル映画『IBOY』(17)。待機作には、『Departures』、『The New Mutants』などがある。
★ジャージェンド★
ブロンズ・エイジ・シティで一番強いサッカーチーム「レアル・ブロンジオ」のキャプテン。プレイヤーとして民衆から絶大な人気があり、サッカーのスキルもずば抜けて高い。しかし、とても傲慢でプライドも高く、ヘアスタイルが乱されるのをとても嫌う。

STAFF
スタッフ

ニック・パーク(監督/製作)
NICK PARK - Director/Producer
子供時代からアニメーションに興味をもち、13歳で両親と住む家の屋根裏で映画を作り始めた。スタンダード8ミリフィルムで撮影した初期の作品「ARCHIE’S CONCRETE NIGHTMARE」は1975年にBBC TVで放送された。1980年にシェフィールド美術学校でコミュニケーション・アートの文学士号を取得し、イングランドのビーコンズフィールドにある国立映画TV学校(NFTS)に進んだ。NFTSで、『チーズ・ホリデー』(89)に着手し、これがウォレスとグルミットが初めて登場する作品となった。1985年2月、アードマンに入り、同作を完成させた。 これまでに、米アカデミー賞Ⓡを4度受賞。そのうち3回は、『快適な生活』(89)、『ペンギンに気をつけろ!』(93)、『ウォレスとグルミット、危機一髪!』(95)で最優秀短編アニメ賞を受賞した。4つ目は『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(05)で最優秀長編アニメ賞を獲得。4作品ともにアードマンがクリエイターと制作を務め、自身は共同監督、そして創立者のピーター・ロードとデヴィッド・スプロクストンとともに制作も担当している。長年にわたりアードマンで、子供のTV番組のためのポッププロモーション/タイトルシークエンス/インサートなどを含め、様々なプロジェクトの監督やアニメーターを務めてきた。
マーク・バートン(脚本)
MARK BURTON – Writer
『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(15)の共同脚本と共同監督を務める以前から、アードマンとの長きにわたる歴史を享受してきた。アードマン/ドリームワークス制作の2作品『チキンラン』(00)と『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(05)で脚本を担当。後者は米アカデミー賞Ⓡ最優秀長編アニメ賞を受賞し、英アカデミー(BAFTA)賞Ⓡ最優秀英国映画賞にも輝いた。自身は、アードマンの長編映画開発チームで顧問も務めている。
ジェームズ・ヒギンソン(脚本)
JAMES HIGGINSON – Writer
アードマン社内でシニア・ストーリー・エグゼクティブも務める脚本家。以前には、『コンフェッティ 仰天!結婚コンテスト』(06・未)や『KILLING BONO』(11)など、ウェイスティッド・タレント社で長編映画の開発の陣頭指揮を執っていた。その後、2011年にアードマンに移籍した。アードマンの長編映画開発を監修し、社内の脚本家として多くの長編映画開発に携わっている。
デイヴ・アレックス・リデット(撮影)
DAVE ALEX RIDDETT – Director of Photography
35年以上にわたり、ストップ・フレーム・アニメーションの素晴らしい世界を専門として、カメラマン/監督として仕事をしてきた。仲間のフィルムメーカー、デイヴ・ボースウィックとともに、1980年代初め、映画の集合体ボーレックス・ブラザースを共同創立した。 1980年代半ばより、アードマンと協力し、『快適な生活』(89)やミュージックビデオ「スレッジハンマー」といった初期の秀作に携わり、ウォレスとグルミットの短編映画やTV特番、無数のコマーシャルで撮影監督を務めた。時折、コマーシャルや短編映画の監督も務めながら、『チキンラン』(00)、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(05)、『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(15)といった長編映画の撮影を続けてきた。
マット・ペリー(美術)
MATT PERRY – Production Designer
5年間、デ・モントフォート大学で建築を学んだのち、香港で建築を体験。香港で1年間過ごしたのち、モデル制作と彫刻に進路変更した。1996年、4年間、アジアやオーストラリアで仕事をしながら旅をして過ごしたのち、イギリスに戻り、ブリストルに居を構え、アードマンで経験を積んだ。アードマンで多くの広告の仕事をしたのち、『チキンラン』(00)のテストセットと小道具の制作を始めた。すぐに重要な小道具のデザインを任されるようになり、パイマシンやフライングマシンをデザインした。次に、アードマンのアートディレクターとなり、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(05)、『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』(08)といった“ウォレスとグルミット”の長編映画や短編映画を担当した。アートディレクターとして3D映画『THE PIRATES! IN AN ADVENTURE WITH SCIENTISTS!』(12)を監修し、アニー賞美術デザイン賞にノミネートされた。そののち、『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(15)で正式に美術デザイナーに昇格した。現在、2019年に公開予定のアードマンの最新長編映画『Shaun the Sheep 2』のデザインチームを率いている。